簡単にいうと
輪蔵(りんぞう)とは、お経が納められている本棚のことで、押すと回転します。お経を読めなくても、それを回せばお経を読んだのと同じ功徳が得られるとされています。
文字の読めない人のために作られた、本棚のような仏具なんです。
経蔵(きょうぞう)という蔵の中に、輪蔵(りんぞう)という回転する本棚があるイメージかな。
輪蔵を一回転させると、一切経を全て読誦した功徳があるんだって!!
でも回転する本棚ってどんなものなのかな?
参考に妙心寺公式HPにあった経蔵のリンクを貼っておくよ。写真で見た方がわかりやすいと思うよ。

経蔵 | 妙心寺
輪蔵(りんぞう)の構造
回転軸(中心軸)
- 輪蔵の中心に通された太い柱。
- 輪蔵全体を支えながら、回転する機構の軸となる。
- 地面と天井の両方で支えられることが多い。
経架(けいか)・書架
- 経典(お経の巻物や冊子)を納める棚。
- 多角形(主に八角形)が多く、それぞれの面に棚が設けられている。
- 精巧な彫刻や装飾が施されていることも。
基壇(きだん)
- 輪蔵全体を置くための土台。
- 回転しやすいように低摩擦構造になっていたり、回転補助のための仕組みがある。
天蓋(てんがい)・屋根
- 輪蔵の上部を覆う飾りや構造物。
- 天井との接続部に回転を支える構造が組み込まれていることもある。
回転補助装置(古いものには木製のローラーなど)
- 重たい輪蔵を回しやすくするための仕組み。
- 現代のものではベアリングや滑車のようなものが使われている例も。
輪蔵(りんぞう)の創始者
輪蔵の創始者は中国南北朝の傅大士(ふだいし)という。経蔵内には、彼を中央に二人の息子(普建・普成)の像が安置される。
そういえば、大徳寺や知恩院、妙心寺でも輪蔵の前に、座っている人の像があったの覚えてるよ。
中国らしい華やかな服装だとおもったけど、創始者の傅大士(ふだいし)さんだったんだね。
八面
八面をそれぞれ天(神様)が割り当てられているよ。
吽形(うんぎょう)、広目天(西)、帝釈天、多聞天(北)、阿形、持国天(東)、梵天、増長天(南)で守られているよ。
日本最古の輪蔵
岐阜県の安国寺には、日本最古の輪蔵があります。
応永一五年(1408年)の作品で、国宝に指定されています。
このサイトがわかりやすいかな。

安国寺経蔵(日本遺産構成文化財)|スポット|飛騨高山旅ガイド|高山市観光公式サイト
国府町西門前にある太平山安国寺は、臨済宗妙心寺派の古刹で、本尊は釈迦牟尼仏、脇侍を文殊菩薩、普賢菩薩とする三尊仏です。室町幕府を築いた足利尊氏・直義兄弟が、夢窓国師の勧めで国土の安寧を計るため、貞和元(1345)年に光厳上皇の院宣により、国...
普段見られない?
輪蔵は、木造で作られていることも多く、摩耗したりします。
また、中に入っている経典は大変価値があるうえ、日の光に弱く基本的に拝観が出来ないことがほとんどです。
特別拝観などを狙っていくとよいよね!!